手のひらに。腕に。まだ真子が残ってて、リアルで、だからよけいにさみしい気がして。欲張りかな、おれ。
…さっき会ったばっかなのに、もう足りない。
まだ帰りたくない気分で、1人、ホームから動けないでいた時だった。
「……レオ?」
ふいに聞こえた、声。
呼ばれた自分の名前に、ほぼ反射的に振り返る。
「………っ、」
そこで目に飛び込んできたのは、白いTシャツに短パン。
ふわりと空気をふくむ袖に、おれは思わず息をのんだ。
一瞬、なんで真子がいるんだって思った。
でもちがう。
声をかけてきたその人物は……希美だった。
おれに笑顔を向けた希美は、目が合うと、その口をよりいっそう開いてニッと歯を見せる。
「えー!?なんでいんの!?ビックリしたぁ〜!!」
…ビックリしたのは、おれの方だ。



