あと1分、を切って。
ホームに滑りこんできた電車は、また違った風を体にかぶせてくる。
なんのひっかかりもなく、目の前に来た電車のドアが開く。
名残惜しそうに振り返りながら、真子はその中に乗り込んでいった。
「…帰ったら、メールして」
ドアのすぐそばに近寄ってそう言うと、真子はコクンとうなずく。
「気をつけてな」
「…うん!!あの、レオくんも」
「ちゃんと着いたらメールしろよ」
「うん」
「…着いたらすぐ!」
「うん!」
「…っ、やっぱ電話!!電話にして」
たくさん付け足して言うおれに、真子はクスクスと笑っていた。
たしかに自分でも、過保護な親みたいだって思うけど。
交わした会話はそれだけで、すぐにやってきた出発時間。
プシュー、と音を立てて、惜しむ間もなくドアが閉まる。
その1枚に隔てられたら、すぐだった。
手を振る真子を乗せた電車は、どんどんスピードを上げていって。



