「海だーっ!!」
砂浜に降りられる場所まで来た瞬間。
打ち合わせなんてしなくても、おれたちは同時に、砂浜に向かってダッシュしていた。
コンクリートとは全然ちがう硬さ。感触。
ズボッと、足がはまる。
踏み固められていなくて、砂がやわらかい証拠だろう。
ズボズボと足あとを残しながら、おかしくなって、2人で笑った。
「すごくちっさい頃に、行ったっきりなの!!」
笑いと感動がまぜこぜになった声で、真子が言う。
「天気がそんなによくなくてね、大きい波がきて、転がって…お父さんが救出してくれたけど、水着の中まで砂まみれで!!」
「え、真子の水着見たい」
「…っ、ばか。レオくんはそういうことばっか!!」
大きな口をあけて、笑う。
たくさん走って、たくさん話す。
そういうのがうれしい。普段の真子は、もうちょっと言葉が少ないから。



