電車を降りると、ちがう世界の匂いがした。
潮風が吹いているっていうのもあるけど、そこらに生えている木とか、足元にある土とか。
そういうもの全部を、真新しく感じる。体がそう、感じているのがわかる。
海の家を改装した、レトロな喫茶店。
毎日違う種類のパンが並ぶ、個人店のパン屋。
この街の神様って言われてるらしい、神社の大樹。
調べていたところは、たくさんあった。
そのひとつひとつを、2人で捜して、見つけて。2人で、体験していく。
目的のうちの一つの、喫茶店。
いい味が出ている正方形のテーブルで、向かい合ってメシを食った。
真子はたまごとハムのサンドイッチ。おれは大盛りピラフとカツサンド。
「量足りねー」って愚痴ったおれに、「レオくんの胃袋見てみたい」って言った真子。
喫茶店のマスターのヒゲは、縮れていて。
料理中にこげたのかも、とかいう話でこっそり笑った。



