「えっ、わ、いいよ!?自分で持てるよ?」
「真子の手はこっち」
あいた真子の手をとって、きゅっと握った。
真子は少しより目になって、繋がった手と手を見る。
そしてくちびるを中に巻き込むと、うれしそうに顔をほころばせた。
「…行こー」
「うんっ」
いつもより弾んだ真子の声。
手を引いて、目的のホームに向かって、歩き出す。
重なる足音は、運動靴を履いて歩く、学校帰りの時とは違っていた。
もっと軽くて、楽しい音だ。
ネットで引いたり、雑誌、立ち読みしたりして。たくさん調べて、決めたんだ。
今日は、海に行く。
電車に揺られて。海岸沿いを歩いて。
きっといっぱい動くから、おれもラフな、Tシャツとひざ丈のジーンズだ。



