「へっ、進学すんの!?レオ」
「そのつもり、だけど……」
ますますボリュームを落とすおれの前で、裕也は声も出さずに口をパクパクと動かした。
…地元の私大を受けること。
それは、おれ自身も最近決めたことだった。
今まではまともに受験勉強する気なんてなかったし、就職でも進学でも、どうでもいいって思ってたんだけど。
でも……もし。もし、さ。
地元で、真子と同じ大学生になれるなら、それって結構いいんじゃね?って、思えるようになって。
真子も頑張るんなら、おれも頑張ろうかなって。思えてきて。
今さら真面目に勉強に取り組むとか、ずいぶんスタート遅いかもしんねーんだけどさ。
「レオが受験生かよー!?」
話を聞き終わるなり、おれの目の前で爆笑し始める裕也。
…ほんっとに毎回、失礼極まりないな、コイツ。
不機嫌な顔をしていると、ヒー、ヒー、と息を落ち着けながら、裕也が続けて言ってきた。



