きみは金色






「…で、つまりなに?レオ、市ノ瀬さんとヤりたいの?」



たぷん、と揺れるオレンジジュース。


グラスのはしに指を引っ掛けながら、裕也が真顔で、そんなことを言い出すから。



「〜ゲホッ!?ゴホ……ゲホォっ!!」



おれはもう、これ以上なく、思いっきりむせ混んだ。



日曜の昼下がり。ファミレスにて。


共に休日のヒマを持て余していたおれと裕也は、2人で落ち合って、ダラダラと時間をつぶしていた。


1年の時から飽きるほど立ち寄っているこの店は、なじみがあって居心地がいいはずなのに。



「…っ、ゲホッ!?ゲホッ…ば、ばかじゃねーの!?」



裕也の一言のせいで、ものすごくいたたまれない場所に早変わりだ。


むせ続けるおれに、大丈夫か?の一言もなく、裕也はノーテンキな声を上げる。



「えー?だって旅行に誘ったってそういう目的ってことだろー?」