それでも一生懸命応えようとしてくれているかんじがまた、ものすごくおれのツボをついてくるんだけど。
「…レオくん」
「ん?」
「レオくんはもうちょっと、恥じらいを覚えてもいいと思う」
小さく口をとがらせて、ほおを膨らませる真子。
…あ、ちょっと怒ってる。
怒ってるっつーか、照れてる。
「……はは、うん」
ギュっと手をにぎって、歩き出した。
付き合いはじめよりずいぶん、自分の気持ちを話してくれるようになった。
緊張している顔だけじゃなく、いろんな表情を見せてくれるようになった。
秋に好きになって、付き合って。
一緒に冬を越えて。
そして春。夏。
おれたちが手を繋いでから、4つ目の季節がやってこようとしている。
「真子ー」
「…なに?」



