きみは金色



「ね?真子ちゃん」

「……うん、ありがとう」



わたしがそう言うと、お母さんはホッとしたように、すごいスピードでご飯を食べ始めた。


一方でわたしは、うまく食べ物を飲み込めなくなる。


食道の幅がキュウウと狭くなってしまったみたいだ。



…だめだなぁ。


こういう時、自分をますますキライになる。


嫌な気持ちが生まれても、表に出せないな。


閉じ込めたまま、わたしの中でグルグル、グルグルさせて。


内側から染み込んで、わたしの一部になっちゃうかんじ。


わたしがどんどん、悪いものになっていっちゃうかんじ。


そんなこと、言わないでって。


…ちゃんと、自分の想いを伝えられたらいいのに。