きみは金色






学校で大人しいぶん、家ではおしゃべりだとか。


べつにそんなことはなかった。


わたしはどこにいたって、基本そんなに変わらなかった。


赤ちゃんのときから大人しくていい子だったって、言われたこともある。


大人しいのがいい子なのかは、よくわからないけれど。



「山下さんとこの息子さん、Y大に進まれるんですって。私立だけど、いいところよね」



晩ご飯の準備ができて、食卓についたとき。


いただきます、よりも先に、お母さんはそんな話を持ち出した。



「まあ、あの高校に通ってたら、それが特にすごいってわけじゃないらしいんだけどね」

「………」

「やっぱり周りも優秀だと、競い合うから余計に……っあ、ち、ちがうのよ?真子ちゃん」



一方的にしゃべっていたお母さんは、ハッと顔色を変えて、急にフォローに入った。



「べつに真子ちゃんがいい高校に入れなかったとか、だから駄目とか、そういうことじゃないのよ?」

「……うん」