授業開始前ギリギリに教室に入ってきたのは、飯田くんだった。
でも、いつもの飯田くんじゃなくって。
髪の毛が、染まっていたんだ。
…明るい、金色に。
うわぁ、金髪…!!
心の中で、何回もさけんでしまった。
あまりにもあざやかな色。校則も、その他の縛りも。全部すっ飛ばした色。
…日本人でも、似合う人が本当にいるんだ。
感心してしまった。そんなまぶしい色を自分のものにできるのは、芸能人くらいかと思ってた。それと同時に。
…わたしとは、別世界の人だなぁ。
改めて、そんな風に思った。
わたしは目立つことを、極力避けたいと思う方だ。
決められた範囲の中に、必死にとどまろうとするのに。
飯田くんは、正反対。決められた範囲を、自ら進んで出ていこうとする。
でも、ただのカッコつけには見えないのは、きっと彼にオーラがあるからだ。



