否定した勢いで、おれの方に振り返った真子。
1度はバチッと合った目線が、ゆっくり下にずれていって、真子は完全にうつむいてしまう。
「そんなんじゃ、ないの…あの……」
じわりじわり、にじんでいく真子の声。
おれにつかまれていない方の右手で自分の顔をおおうと、真子はポツリとこう漏らした。
「自分が恥ずかしい…」
「へっ」
予想もしなかったセリフに、変な声を上げてしまった。
…自分が恥ずかしいって、なに。どういう意味だ?
ポカンとしているおれに、顔を隠したまま、真子は続ける。
「レ、レオくんにはたくさん世界があって……わたしが知らない世界をいっぱい持ってて…」
「………」
「そんなの当たり前なんだけど、わかってるんだけど……でも、わたしがいない世界がレオくんにあるってこと。いやだなって、思った。
他の子は知ってて、わたしは知らないの。いやだなって。
どうしてそんな意地悪いこと思っちゃうのか、わからないの……っ」



