その隣でストップウォッチを持ち、タイム係りをするのは、木下で。
その2人の間で、どんな会話が交わされたかなんて。
例えば、
「飯田、中2から急に背が伸びたんだよ」
そんな、おれの中学時代の話とか。
「飯田のタイプは、元気で明るい子って聞いてたんだけどな」
そういう話を木下がしていたことなんかも、おれは当然知らなくて。
公式試合とは違って、5分区切りの15分に設定されたゲーム。
さすがに後半はバテバテで、足はもつれるは肺は痛いは、シュート率も圧倒的に悪くなった。
それでも何が楽しいのか、おれたちは笑っていて。
ゲームセットのブザーが鳴った瞬間、どっちが勝ったとか関係なく、メンバー全員が集まってハイタッチしていた。
座っていた女子たちもこっちに駆けてきて、それぞれがワアキャアしゃべり出す。
木下にもまた肩パンされて、痛がったら木下が笑った。
もまれる中で、得点板のところに目を向ける。
でもそこに、真子はいなくって。



