きみは金色





ーー土曜日は用事があって無理。



もし、誘ったドーナツ店で真子がそう言っていたら、今おれはここにいなかったかもしれない。


だってバスケがしたいわけじゃなかった。そうじゃないと思ってた。


なのに実際にボールに触れてみれば、それはもう、ものすごく楽しくて。


パス練に、シュート練。

そのあとに、2チームに分かれてのミニゲーム。


最初のうちは、久々に履くバッシュの足首まで覆うかんじをこそばゆく思っていたけど。


ボールが手に吸い付いてくるというより、意識的にボールをついているってかんじだったけど。


でも10分もすればすっかり馴染んで、昔の感覚も思い出していた。



…おれ、やっぱ好きだったんだな。


そんなことを思って、自分でもビックリした。



キュッ、と止まる音。


手のひらと床を交互に行き来する、ボール。


その度に体に走る振動。低く構える体勢。