名残おしすぎて、触れていたらいつまで経っても電車に乗れないから。
また明日。そう言ったら、すぐに離れる。歩き出す。
真子もすぐに歩いて、改札をくぐって、別のホームに行くはずで。
なのに、今日は。
「ば、ばいばい…っ、レオくん!!」
「………えっ」
後ろから聞こえた、大きな声。
ふり返ったら、真っ赤になって手を振る真子の姿があった。
…いま。
いま、名前。名字じゃなくて、呼ばれた。おれの名前。
レオくん。
「〜っ、も、もっかい!!」
「…い、いやだっ」
「もっかい呼んで、真子」
「む、むりっ」
…びっくりした。今。
新しい自分が、生まれたみたいだった。



