「あ……わり」
そこまで一気に話して、ハッとする。
真子の目がとても心配そうに、おれを見ていたから。
だからあわてて、明るい声で話を切った。
「はは、グチっぽいよなー!ごめんごめん。あ、真子、ドーナツ残って…」
「グチじゃないよ」
珍しくハッキリとした口調で、真子は言った。
真っ直ぐ澄んだ瞳が、おれに向かう。
「わたしが、ちゃんと聞けてよかったって思えるから、グチなんかじゃないよ」
「………」
「そんなんじゃ、ないよ」
また、新しい。
はじめての真子を見た気がした。
強がりたい。カッコ良くありたい。
好きなヤツの前では、それは当たり前に芽生えてくる感情で。
けど、ちゃんと弱いところも認めてくれようとする視線は、ただ「カッコ良いね」って言われるよりずっと、胸をジンとさせる。
相手を思いやれるってのは、底しれない優しさ。
真子のそういうとこ、すごく好きだ。
「……ありがとう」
好きばっかりが増えるから、困る。



