「だから!無理やりプリント渡せ、みたいなのは良くないだろって」
「無理やりじゃないし。ちゃんと聞いてるし」
「…そういうこと頼む自体、おかしいだろ」
「〜だって!!」
声を張り上げる希美。
こっちにズカズカと歩いてきたかと思うと、おれの腕をグッとつかんだ。
「…わたしたちは、やらないでしょ?やらないし、できないもん」
「………」
「市ノ瀬さんと、わたしたちとは違うもん」
そう言って、希美はおれのそばに身を寄せる。
うまく言葉が、出てこなかった。
それでも何か言おうと口を開いた時、ちょうどのタイミングでチャイムが鳴った。
変な空気が、教室内に立ち込める。
「あ…あの……」
市ノ瀬はこわばった笑顔を浮かべると、おれたちと目を合わせないまま、口を開いた。
「…ごめん、ね。あの、わたし…ちょっと用事があるから」
「いちのせ…っ」



