進路希望用紙も、そういや結局書かないままだったな。怒られなかったけど。
そんなことを考えながら、ぼうっと、ほぼ白紙のプリントを眺めていた。
そんな時だった。
「わーっ、すっご!!ぜーんぶ埋まってるし!!」
左ななめ前から、甲高い声がした。
顔を上げると、市ノ瀬の席の前。
座っている市ノ瀬を見下ろすように、希美が仁王立ちをしているのが、目に飛び込んできた。
…何してんだって、思った。
市ノ瀬はシャーペンをキュッと握り締めたまま、そんな希美を見上げている。
心臓が、サワッと波打つ。
普段にはない組み合わせの2人は、すぐにクラス全員の視線を集める。
希美が、その視線に動じることはなかった。
えらそうに反り返って立ったまま、市ノ瀬に、キツい口調で言葉を浴びせはじめた。



