向上心とか。そんなもん、カケラも持ってない。
ダチとバカやって、適当にサボってみたりして。なんとか進学、できたらして。
それも一種の青春ってやつじゃねーの。
そんな考えに至っていたら、いつの間にかたどりついていた音楽室。
歩みを止めると、チリトリとホウキがぶつかりあって、カシャンと金属音が鳴る。
それがなんだか、自分を笑っている声のように聞こえて、おれは心の中で毒づいた。
…だいたい、なんでおれが代表で罰そうじなんだよ。
一度そう思い始めると、次々に文句が湧き上がってくる。
…しぶしぶついて行った側なのに、おかしいだろ。
つーか、すぐイワコウにチクってんなよ、委員長。
あと前から思ってたけど、ワカメはりつけたみたいな、おそろしくセンスない前髪どうにかしろよ。
やぼったい髪型の委員長を思い浮かべて、舌打ちしながら、ドアに手をかける。
そこで、おれは一瞬、動きを止めた。



