眠そうな顔で二ヘッと笑うと、いつもと同じ、能天気な口調で話しかけてくる。
「2年になってから初めてだよなー」
「あー…だな」
「なんか事件でもあったんじゃねー?」
裕也は指の間に配られたプリントをはさむと、泳がせるみたいにヒラヒラと振っている。
その動きを止めると、プリントはまるで謝罪でもしているかのように、ベロリと下に向かって垂れた。
「…事件?」
「んー?うちの生徒が万引きしたとか?あ、他校とケンカしたとかー?」
裕也がぶっそうな例をいくつか挙げている間に、おれたちの周りに、他のヤツらも集まってくる。
こうなると、放課後とまるで一緒だ。
口々にどうでもいいことをしゃべったり、笑ったり、ケータイをいじったり。
ドーナツ状のかたまりになったおれたちは、好き放題に1時間を過ごす。



