テンションの高い声が、室内のいろんな場所から飛び出す。
自習なんて、おれたちの学校にはめったにない授業形態だった。
きっと、どうせ騒がしくなることが目に見えているからだろう。
予想どおり、と言うべきか。
委員長が配るプリントが行き渡る前に、もうみんな、好き勝手に席を移動し始めていた。
毎度のことながら1人で慌てる委員長は、好かないヤツだけど、若干かわいそうに思えてくる。
…顔色悪いし、今にもカニみたいに泡吹きそうなんだよな。
そういえば顔面も、河原で横歩きしているカニに似てるのかもしれない。
「珍しいよなー?自習なんて」
「うわっ」
目の前にあった茶色くとがった髪に驚いて、まぶたを引き上げた。
いつの間に来ていたのか。
当たり前のように、おれの前の席を陣取っていた裕也。



