おれのしぼんだ気分をことごとく無視して盛り上がる裕也たち。
背骨を丸めたおれは、くしゃりと自分の前髪をかき分けた。
…遠いなぁ。まだまだ。
きっと今回も、テスト順位の貼り出しのトップには、市ノ瀬の名前がのるんだろう。
そう考えたら、本当にいろいろ遠い存在だ。だっておれは、あの紙に名前が書かれていたことすらない。
想像する。結果が貼り出されて、人混みの中で見上げて。そんでさぁ。
市ノ瀬真子。
きっとおれ、書かれた名前見つけるだけで、ちょっとドキッてすんだよ。
…そんなの、まだ、片想い中みたいだ。
おれだけがグルグルして。
ほんと、おれだけが、好きで。
「レオー、行くぞー」
「……おー」
声をかけられて、重い腰を上げる。
カバンを背負うと、裕也たちに続いて、1番最後に教室を出て行く。
…付き合う前より、市ノ瀬が少しでも、自分を好きになってくれていればいい。
望むのはそんな、小さなことなのに。
なのにこれっぽっちも叶っている気がしないのは、どうしてなんだろう。



