「…何。こっち見んな」
「レオ、へんなのっ!!」
「は」
「バッカみたい」
…バッカみたいって。
頭をポリポリかきながら元いた場所に戻ると、希美はふくれっ面をますますふくれさせた。
…その顔したいのは、おれの方なんですけど。
付き合ってるって言っても、おれと市ノ瀬の距離は、まだまた遠い。
彼氏。彼女。そんな名前がついただけで、中身は全く追いついてないんだ。
おれが告白した時、もしかしたら市ノ瀬は、断れなかっただけかもしれない。
今となっては、そう思う。
ハッキリ言うの、苦手そうだしな。市ノ瀬。わかるし。だって好きだし。
小さくなっていった市ノ瀬の後ろ姿を思い浮かべると、なんかちょっと、切なくなった。
「じゃっ、今日はカラオケで〜っ!!」
「だな!!恋愛ソングしばりな、レオのために!!」



