きみは金色





「イワコウ、マジありえねえ…」



カラオケに行った、翌日の放課後。


おれはホウキとチリトリ、というこの上なくだっさいアイテムを引きつれて、廊下を歩いていた。



イワコウっていうのはおれの担任の、岩崎幸一のことだ。


略してイワコウ。

名字と名前の最初をくっつけただけの、安易なあだ名。


たしか25歳くらいで、先生の中では若い部類のくせに、ミョーにオヤジくさいっていうか。


顔が残念なわけじゃないのに、どこか悟りを開いてるっつーか。


そんなわけで、先生群団・生徒たち、どちらにもいまいち馴染んでいない、変わり者の数学教師である。



そして、だ。



そのイワコウに、委員長が昨日のこと…


おれたちが途中で抜け出したことを、どうやら告げ口していたらしい。