「…しらね」 「どーでもいいじゃーん!!ねっレオー、カラオケ!!今月入った新曲がさぁ~…」 テンションの高い声をまき散らしながら、希美が腕に巻きついてくる。 その、桃色グロスのついた口とは、正反対の。 しずかに動いていた市ノ瀬のくちびるが、一瞬だけ。 頭に、浮かんだ。