でも、そこで調子に乗ったのはストーカーの女の子。

 付きまといもエスカレートしていき、今度はあたしにも色々して来るようになった。


 流石に警察沙汰にしなくてはならなくなって、ストーカーの女の子は別の学校に転校することになった。


 で、それで済めば良かったんだろうけれどそう簡単には行かない。

 学校は全寮制のところに行ったらしいけれど、家は元の場所のまま。
 休みの日などに帰ってきたらまた奏を付きまとうに決まっていた。


 だから奏もまた別の高校に転校した方がいいだろうと家族で話し合った。

 その時に奏に言われたんだ。

「美来も勿論ついて来てくれるよな?」

 と。

 行かないよって言ったんだけれど、瞳の色以外そっくりなあたしがいたらあの女の子はあたしに何するか分からないとか、傷心の兄を一人で行かせるのか? とか色々な言い方で丸め込まれてしまった。


 実際以前その子に。

「髪を切ってカラコン入れて、あたしを好きって言ってくれない?」

 なんて頼まれたこともあってあながち大げさでもなかったから……。


 そして転校した先で念のためと地味な格好をするという奏。

 同じ顔のあたしも地味な格好を強要されてしまう。


 今回ばかりは本当に同じ顔なのを何度呪ったことか。

 二卵性双生児のはずなのに、目の色以外は本当に鏡でも見ているかのようにそっくりなんだから。

 男女の違いはあるはずなのに、まだ大人になり切っていないからか違いを見つける方が大変な程。