「桐が着替えてくるって言うから、先に彼方呼びに来た」



「ひむは?」



「向こうで待ってるわ。……ねえ、彼方」



「うん?」




「彼方は……桐のこと嫌いなの?」
 


思い切って、訊いてみた。



言葉にしなければ、どれほど近い存在でもわからないから。



「何で?」



「だって、何よ敵対宣言って。彼方、女の子に喧嘩売るようなことないじゃない」



「あー、まあ喧嘩は売ったけど……。嫌いっつーか気に喰わない。あいつは」