「教室ではメガネなのね」
 


図書室の一角。



彼方は普段はかけていないメガネをして、机に向かっていた。
 


ひむは彼方を勉強大すきっ子って言うけど、本当にそうだと思う。



隣の椅子を引いて座ると、彼方は顔をあげた。
 


――いつもと違って、薄いガラス一枚を隔てた彼方の瞳。



~~~やばいっ、ドキドキしてきた……ひむも連れてくるんだった……。



「もう終わったのか?」



隔てるものがあっても変わらない、彼方の微笑み。


落ち着かせ、心臓。