眞白には仕方ないのでわたしが手を付けていなかった栄養補助食品を渡す。

 ついさっきまでサンドイッチを食べていたことを知って「わびしい……」なんて呟きながら食べていた。

 あまりに可哀そうだったからギンのリンゴを1つ貰って切って、使っていなかった卵で玉子焼きを作ってあげた。

 でもそれも……。


「うまそー。一切れくれよ眞白」

「俺も一つ」

 と眞白が手を付ける前に岸本くんと伊刈くんに一切れずつ奪われる。


「ああ! 俺の朝食が!」

 そしてそう言って悲観している間に三つ子にもかすめ取られていた。


「うまうま」
「オカン白雪料理うまいな」
「これは夜も期待できそう」

「ああ! 勝手に食うなよ!?」

 半泣きで叫んだ眞白のもとには結局一切れしか残らなかった。


 ……ドンマイ眞白。
 流石にこのままじゃ遅刻しちゃうからもう一回作ってはあげられないよ。

 何やら訴えるような眼差しをスルーしてわたしは制服に着替えてきた。


「じゃあ、何かあったら連絡しろよ? 誰か1人くらいは動けるようにしとくから」

 玄関で学校に行くわたしと眞白を見送りながらギンが少し心配そうに言う。