気が付いたらベッドにいた。
 温かい部屋。父上が顔を覗きこんだ。ホッとしたように顔を歪める。

「ベルンは?」
「まだ寝ているよ」

 言葉少なく答える父上。

 訊きたいことはいっぱいあった。あれからどうなったのかだとか、誰か怪我はしてないだろうかだとか。でも、父上の顔を見たら何も訊けなくなってしまった。

 俺は布団を握りしめ、目をそらした。自然と丁寧になる言葉。