大島文サイド



ここの暮らしにもだいぶ慣れてきて、いつものように庭の手入れをしていると、すぐ隣の茂みが動いた。



猫?犬?鳥?それとも………



恐る恐る茂みをかき分けてみると、そこにはこちらに背を向けてしゃがむ藤堂さんの姿があった。



「えっと……藤堂さん?そんな所で何しているんですか?」



「わぁっっ!?!?な!なんだ、大島か...。びっくりさせないでよ!!」



「すみません。何をされているんですか?」



藤堂さんは何も言わずに目線を自分の懐に向けた。



「猫?」



そこには真っ白な小さい猫が丸まっていた。



「こいつ、木から落ちたみたいで足、怪我してるんだ」