ケータイ小説 野いちご

君が泣いたら、俺が守ってあげるから。

chapter one
動きだした初恋


春の訪れを告げるように、木々が芽吹いて。

薄紅色の桜の花が咲き誇ったころ、あたしは晴れて高校生になった。


毎年、咲いては散り…を繰り返す桜の木。

生命力の強さを分けてもらうように、その木を見上げ。

今年も精一杯咲いた桜が絨毯となったその上に、しっかり足をつけて今日も学校へ向かう。



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「美紗、お願いっ……」



学校に着くなり、あたしの目の前で手を合わせて拝むのは、クラスメイトの田中伊織(タナカ イオリ)ちゃん。


艶のある黒髪に、パッチリ二重に高い鼻に小さい口。

おまけにスタイル抜群で、芸能人のように美少女なのに裏表がなくさっぱりした性格の伊織ちゃんは、高校に入って出来た友達。


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