私は、国家犯罪撲滅東京支庁の管理官、池下聖夜です。




今年で私は五十八歳、結婚もせずに、仕事のことだけを考えて生きてきました。




私はお酒もタバコもやりません。




体に悪いと知りながら、そんなものをやりたくはないからです。




私はそんなくだらないものよりも、建設的なことを好みます。




日々、発展。

日々、向上。




それが私の願いなのです。




もしも世の中から、すべての犯罪がなくなり、国民すべてが勤勉に建設的な行動をとったならば、我が国、日本はどれほど発展し、どれほど住みやすい国になることでしょう。




私は今、真面目に働いてきた結果、偉くなり、裕福な生活をしています。




貧しさからの脱却。




これは私が子どもの頃からの人生のテーマでもありました。




私の父と母の生き方は、少しも建設的ではありませんでした。




私の父と母は、働かずに浪費し、借金から逃げまわっていました。




私は父と母のような建設的ではない人間を憎みます。




父と母のような人間は、世の中の発展に、有害なのです。