―――私の父は本当にバカな奴だと思う。


無謀にも程があるのよ。
真っ向から勝負して敵う相手じゃないことくらいわかっているでしょうに。



元々は農業や繊維などの貿易が盛んで、この国はとても豊かだった。

街も賑わい、人々にも笑顔が溢れていてそれなりにいい国だったと思う。



ところが私のバカ親父・・・今の国王になってからそれが一変する。

国王は見栄っ張りの女好き。
加えて横暴で傲慢な人。

女と自分を立ててくれるアホな奴らにじゃぶじゃぶ国のお金を使って、なんの罪もない国民からお金を巻き上げる。


嫌気が差した優秀な側近達は国を捨てて亡命ちゃうし、そんな国王のいる国となんかやってられるかって、他の国からは同盟を解消されてしまう。


で、結局国に残ったのは、国王にごま擦って甘い汁を吸っているだけのアホな奴らだけ。


結果国は困窮を極めた。
そんな時に、その中の1人のアホが国王に進言しちゃったのよ。


「隣国は金と銀が採れる、あの国を我が国の領地にすればこの国は安泰だ」

ってね。


で、もう色々と追い込まれちゃってたから、みんな簡単にそれに流されちゃって、それで乗り込んでいったのよ。