夜桜冬希さんのレビュー一覧

★★★★★
2025/12/06 10:37
ネタバレ
ペドフィリア

戦闘能力の高い粗暴な刑事のリエと、ペドフィリアであることを秘密にしている整形外科医のマコト。医者と患者として出会った二人が手を組み、小児を狙った連続失踪事件を解決していく物語。マコトは自身に潜む狂気に怯えながらも、秘密を明かしても態度の変わらないリエと共同作業をしていくうちに、リエの前では自然体でいられるようになっていく。そんな時、突如としてマコトの中の狂気が解放される。胸を覆う高揚感。リエがいなければ、マコトはそのまま、狂気に飲み込まれていたのかもしれない。

タイトルとキーワードを見て一瞬で心を掴まれ、煽られ、擽られ、これはもう読むしかないと思いました。作品全体に纏っている空気感や、作者さんの書く文章のリズム感が心地良いと言いますか、歩幅や呼吸がぴったり合っていると言いますか、少し言葉にするのが難しいのですが、とにかく気持ちよく酔えるような好みの物語でした。凄く面白かったです。

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★★★★★
2024/08/01 13:11
ネタバレ
寄り添い

一気読みです。夢中になって読んでいました。相性が良いなと感じる物語だったり文章だったりを見つけると、テンションがハイになることがあります。自分にとって大当たりの小説を見つけた時の心地良さを、本作品でも感じました。

これまでファンタジーものや妖ものといった物語に触れたことはほとんどなかったため、新鮮な気持ちで読み進めました。狐や狸、鵺などの人外や、鵺を退治する、ネノシマから派遣された少年、見鬼の双子など、少し複雑そうな設定に見えるのですが、そんなことはなく、妖ものを読み慣れていない初心者であってもとても分かりやすかったです。双子の幼馴染を交えた会話に微笑ましくなったり、人間と契約を交わし人間に寄り添ってきたものの、次第にさみしさを感じるようになった尾裂に切なくなったり、読みながら感情が揺り動かされました。妖にも人間が寄り添っているような、柔らかくて優しく、すっきりとした読後感でした。

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★★★★★
2024/04/25 18:09
ネタバレ
愉しくて、楽しみなことだ

文芸部に所属する高校生たちを襲った、理不尽なデスゲーム。裏切り者を見つけ出し、投票。人を騙し、人に騙され、次第に彼らは疑心暗鬼に陥っていく。ある人は、友人を守るために他人を犠牲にし、ある人は、自分が生き残るために他人を陥れ、ある人は、刺激を求めてゲームを愉しむ。誰が裏切り者なのか。そして、このゲームに秘められた謎とは──。人の醜い姿を、その本性を、狂気を、丁寧な筆致で抉り、淡々とテンポよく炙り出すエンターテインメント作品。

何年経っても私は、心理戦、頭脳戦、それを交えたデスゲームが、死を前に、そのスリルに、人の気が狂れていく様を見るのが、それぞれの人間の隠された本性、そして、反吐が出そうなほどの、それでいて魅惑的な狂気に触れるのが、時間を忘れて夢中になれるほどに好きなのだ。このデスゲームは、ただのゲームだ。繰り返し何度でも遊べてしまうのだ。何度でも。何度でも。最高のスリルを──。

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★★★★★
2024/04/11 13:41
ネタバレ
また一人、生み出されたシリアルキラー

シリアルキラーという魅力的なキーワードを見てしまっては読まないわけにはいきません。連続猟奇殺人というのは、どうしてこれほどまでに私の心を刺しにくるのでしょうか。

健康な女性を憎み、殺害する。それが例え、自分の娘であっても。一切関係ない。相変わらず狂ってます。あまりにも静かに、狂ってます。でも、その狂気が、私は好きなのです。幼女愛好症という性的倒錯が絡んでいることすら、エンタメの一つとなり得ます。シリアルキラーとフェティシズムの相性の良さを再認識させられました。

本作品のような、たまに投稿される犯罪小説のようなものを、私は密かに待っている節があります。猟奇的な物語からでしか得られない栄養があり、その沼にどっぷりと嵌まってしまっている私は、今後も、誰かが生み出してくれるかもしれない異常な嗜好を持つ異常な犯罪者を、ずっと待ち侘びてしまうのかもしれません。

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★★★★★
2024/01/30 00:22
ネタバレ
御馳走のような作品

カラーネーム事件。連続猟奇殺人事件。胴体から切り離され、祀られるように置かれている生首。バラバラに刻まれたり、おかしな装飾をされたりして捨てられている胴体。狂気。残虐。芸術作品。快楽殺人。眼球。etc.

シリアルキラーが好きで、またそういった話が大好物な私にとって、あまりにも美味しすぎる要素だったり単語だったりが散りばめられており、それを目の前に差し出されてしまっては飛びつくしかありません。好きにならないはずがないです。殺害後に遺体を芸術作品にする、狂気に染まった連続殺人鬼。大変惹かれてしまいます。

猟奇的であり、狂気的であり、私の好きがこれでもかと詰まっておりまして、大正解すぎる作品でした。ストレスなく読めるのも凄く良いです。ラストの不穏な空気感も堪らないです。ホルマリン漬けというだけで狂気を感じてしまいます。その狂気に、私は魅了されてしまうのです。

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★★★★★
2023/11/25 01:25
ネタバレ
シリアルキラー

野いちごには流石にないだろうな、と思いながらもシリアルキラーで検索をかけてみたら、嬉しいことにこちらの作品が引っかかりまして、見つけた瞬間大歓喜です。シリアルキラーに猟奇殺人。大好きです。最高です。軽率に興奮しました。

本作品のシリアルキラーは、剃刀で全身をメッタ切りにして人を殺害します。いいですね。狂ってますね。これで普通に世間に溶け込んでいるんですから、流石ですね、シリアルキラー。もっと狂ってくれてもいいんですよ。

猟奇犯罪を取り扱っている時点で内容は言わずもがな好きなのですが、何より文章が良い意味で硬く、淡々としていて、こちらもかなり私の好みであり、終始ドキドキしながら文字を追いました。これを野いちごで、しかも無料で読めるなんて。嬉しい限りです。

シリアルキラーにもシリアルキラーなりの理由があるようですが、理解できるかどうかは、きっと人によります。好みの物語でした。感謝です。

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★★★★★
2023/11/19 22:58
ネタバレ
美しき、純愛

花吐き病──片想いを拗らせると口から花を吐き出すようになる病気。吐き出された花に他者が接触すると感染してしまう。

高校一年生の千景は、花吐き病を患った。片想いの相手は、兄である伎。兄妹だからと気持ちを隠す千景に、それまで彼女に無関心だったはずの伎は優しく接するようになった。

「……吐く花にもちゃんと意味があるんだよ」

吐く花は、吐いた者の感情そのもの。花として感情を吐いても、内側にあるそれがなくなるわけではなかった。いくら花を吐いても好きという想いまでは吐けず、ましてや本人に伝えることもできず、それは千景の中に溜まっていく。

自分には向けられない、愛おしそうな伎の微笑み。それを見た千景は、耐え切れずに様々な色の花を吐き、涙を流した。そこへ現れた伎が、千景が吐き出した花に、触れる──

「……俺と、一緒に、地獄に堕ちてくれ」

この物語は、ハッピーエンドか。はたまた、バッドエンドか。

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★★★★★
2021/10/24 13:15
ネタバレ
タイトル未定の恋心

ワタシ。カレ。カノジョ。一人称や三人称がカタカナであることに、なんとなく、妙な違和感。そして、読み進めていくうちに違和感が徐々に確信に変わっていく。もしかして、と思考を巡らせた先で訪れる種明かし。やっぱりカタカナであることに意味が込められているのだと思いました。

タイトル、好きです。タイトル未定。その意味は、未完成ということなんじゃないかなと、僭越ながらそう考察させていただきました。物語の中でタイトルは重要で、それがまだ決まっていない。未完成の恋心。

ワタシの言葉はカレには届かない。届いたと思ったら、都合のいい解釈をされる。ワタシを、見て。ちがうよ、ばか。なんて切ない恋なのか。なんて悲しい恋なのか。カレにはワタシに別れを告げないであげてほしい。ずっと一緒にいてあげてほしい。見てあげてほしい。そう願うばかりです。

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★★★★★
2020/09/24 10:09
ネタバレ
線香花火が落ちたキミ

4年付き合った彼女に振られてしまった。とても愛くるしくて、明るい子だった。

春から夏へ、季節は巡り、久しく会っていなかった友人に飲みに誘われた。そこで偶然出会ったのは、スリットの入ったタイトスカートを着て、前髪をかきあげている髪の長い女性。


公園で、なぜか分からないが購入してしまった花火に火をつけた。線香花火を最後に残して。

『ねえ、なにしてるの?』

声をかけてきたのは、居酒屋で出会ったあの女性だった。彼女の特徴的な引き笑いは、学生の頃からずっと変わっていない。




どんなキミでも僕は好きだよ。

おとなしいキミも
負けず嫌いなキミも
あざとくてヒステリックなキミも
愛くるしくて、明るいキミも
今、僕の前にいるキミも

全部愛しているよ。




線香花火のように儚くて、だけど精一杯光を灯す一つの恋。輝き方はそれぞれ違っていても、どんな君も変わらず好きだ。

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★★★★★
2020/09/06 22:48
ネタバレ
金曜日



彼女の苦悩を知っているのは私だけ。




平日を締めくくる金曜日。気弱で内気なIは、誰かとも分からない人から嫌がらせを受けて帰ってくる。Iの相談相手はDだけ。IはDに縋るしかない。だからDもそれに応えた。




ドアノブにかけられた指の爪の間には、赤いインクが染みている。




Iは、可哀想な人? Dは、優しい人? クラスメイトのCは、悪い人?

ラストのDの台詞。騙された。完全に。




きっと、無知なままだ。




Dにとって金曜日は、特別な日なのかもしれない。

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★★★★★
2019/07/09 20:26
ネタバレ
中島くん、わざとでしょ

中島最高です。彼の言動一つ一つに一喜一憂してドキドキキュンキュンせずにはいられません。ちょっと強引で俺様な中島も優しさで溢れてる中島も甘えたがりな中島も全部いい。好き。本当にかっこいいしなおかつ可愛さもあって目が離せません。

ヒロインのはのんのことを次第に好きになる中島だけど、はのんには遼という元カレがいて、今も彼を想っているのを知ってしまいます。だけど決して強引には奪わず、はのんの気持ちを尊重する中島の優しさが堪らない。そしてはのんも少しずつ中島に惹かれるようになります。

上手くいかなくてすれ違ってしまうこともあったけど、最後は嬉しいハッピーエンド。そしてそのシーンの時の、『コーラになりたい』には少し微笑ましい気分になりました。

中島とはのんの可愛らしい恋模様をぜひ堪能してみてください。たくさんの胸キュンと幸せを味わえるような素敵な作品となってます。本当に最高です。

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★★★★★
2019/07/07 02:45
ネタバレ
闇に溺れて、秘密のキスを。

甘いです。とにかく甘いです。だけどそれだけじゃない。ただ甘いだけじゃない。甘さの中にある絶妙な緊張感が施されていて、読者を飽きさせない工夫を凝らした素晴らしい作品だと思いました。

暴走族、組、ヤクザ。そんな闇の世界で生きる神田と、普通の世界で生きる女子高生の未央を中心とした物語。それは酷く危険な恋で、秘密の恋。そして、お互いを一途に想い合う2人に忍び寄る魔の手、言わば黒幕。その正体は未央の身近に存在する人で。何か裏がありそうだとは思っていたけど、それは私の予想を遥かに超えるものでした。

『助けて』
神田が初めて自分に素直になり、弱さを見せたシーン。それには思わず胸を打たれてしまい、今までよく頑張ってきたね、と私まで神田を褒めたくなりました。

ただ甘いだけじゃない物語。ハラハラドキドキするような物語。飽きることのない物語。ぜひ読んでみてください。一緒に闇の世界に溺れてしまいましょう。

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★★★★★
2019/07/05 01:08
ネタバレ
腹黒王子のいいなり。

超純粋で鈍感な夕美と裏の顔がある人気者な雅の恋で、それはもう焦れ焦れです。雅にペースを乱される夕美は可愛いし、逆に夕美に調子を狂わされる雅も良くて、最高でした。

感情を表に出すのが苦手な夕美は、雅と関わるようになってから少しずつ変わっていきます。表情が豊かになり、明るくなっていくような。対してそれは雅も同じで。彼も夕美と自ら関わるようになってから、本当の自分を出せるようになっていったと思います。お互いの存在がお互いを変えたみたいに。

2人の出会いのきっかけは捨て猫。その日からずっと一途に想い続けた雅の気持ちはもちろん知っているけど、最後の最後ではその言葉を読者の頭の中だけで済ませてる感じ、なんかセンスを感じます。あ、言わせないんだって思ってしまいました。

堅苦しいことを書いてしまいましたが、凄いドキドキキュンキュンが詰まってたんで、胸キュンしたい方にはオススメです。良い作品でした。

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★★★★★
2019/07/04 11:39
ネタバレ
暗黒王子と危ない夜

どこかミステリアスさを感じる作品だけど、そこには恋愛や友情、子供と大人の狭間にいるような高校生の心の葛藤など、言葉では言い表せられないような素晴らしさがありました。終始ハラハラドキドキして感情移入せずにはいられません。

他の方のレビューにも書かれているのですが、中島の本多を大切に想う気持ちには感動です。
『七瀬のためなら、死んでもいいよ』
この言葉が一番印象に残りました。訳あって嫌い合っている2人だけど、一番お互いを大切に想っていて、信頼していて。最初こそ掴めない関係性だなと思ったけど、終わりに近づくにつれて素敵な関係性だなと思ったくらいです。

私の乏しい語彙力ではこの作品の良さを伝えきれないので、一度読んでみることをオススメします。読めばきっと、緊迫するような、ハラハラするような、そんな危なくて、だけどキラキラしたような素敵な夜の世界に誘ってくれることでしょう。

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★★★★★
2018/11/28 17:16
今日を大切に

今日という日は今日しかない。だから、今日しかない今日を大切にしよう。そう思える作品でした。

今日という日は今日しかない。だから、今日しかない今日を大切にしよう。そう思える作品でした。

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★★★★★
2018/11/22 07:55
ネタバレ
予想外の真実

真実を知った時、胸が熱くなるのと同時にタイトルの意味を理解しました。十羽が事故にあって意識不明の重体となり、生霊として楓に会っていたというのは予想だにしていなかったことだったので、驚きのあまり鳥肌が立ちました。無事に意識を取り戻した十羽と、一途に十羽を想っていた楓の、2人の幸せを祈るばかりです。感動作をありがとうございました。

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★★★★★
2018/10/07 14:54
ネタバレ
無題

真面目な青依と不良の純太との恋は、とても甘酸っぱくて優しくて終始ドキドキしてました。青依はとにかく可愛いです。純太は凄いかっこいいです。すれ違いとかありましたが、無事に誤解も解けてハッピーエンドに繋がったので良かったなと思います。柄にもなくキュンキュンしました。

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★★★★★
2018/10/05 17:32
無題

文章も内容も登場人物も全て好きです。みんな純粋だなって思いながら読んでました。好きな人には好きな人がいたり、好きな人の言動に一喜一憂したり、恋って一筋縄ではいかないなと思いました。素敵な作品をありがとうございます。

文章も内容も登場人物も全て好きです。みんな純粋だなって思いながら読んでました。好きな人には好きな人がいたり、好きな人の言動に一喜一憂したり、恋って一筋縄ではいかないなと思いました。素敵な作品をありがとうございます。

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★★★★★
2018/08/23 11:58
ネタバレ
無題

まず最初に、友達の存在って大切だなと思いました。瞳がいなかったら、花音は圭太への気持ちに気づかなかったかもしれませんし。少し性格の悪い女の子が主人公というのは、私が今までに読んだ恋愛小説では初めてな気がします。でも花音の気持ちも理解できるので、なんだか憎めません。そういう意味でも、とても共感できる話でした。

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★★★★★
2018/06/15 22:03
ネタバレ
楽しい

“オレ”は東雲か慎だろうなと思っていて、ヤマタロという選択肢は私にはありませんでした。でもその正体がヤマタロだと知った時、驚くよりもなぜか納得してしまいました。”オレ”が誰なのか詮索しながら読めてとても楽しかったです。

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