愛してくれてありがとう。





ーーーーーーー




……ん〜、…寝ちゃったのか…

……どうしよう…

………………帰るか
勝手に帰ろうと私の勝手だし




玄関に歩きだし、
ドアノブに手をかけた時









『おい、何してる?』






…っビクッ……




「…帰るんですけど、何か?」



『あぁ、あの家にか…
あの家はもう売った』





へぇ…
売ったんだ














…………って、えぇぇぇぇっ⁈



「……は?」




…売った………?





『売った
家に帰りたくないから
毎晩あんなところに来てるんだろ?
お前にはここに住め」




は?は?は?
何を、言ってるんだ?こいつは…
売った………ありえない
ここに住む………ありえない




「……はぁ?何やってくれてるの?私がここに住む?ありえなっ、『…………









ーーー……ギュっ、…





『どうせ毎晩男といるんだろ?
ならここに住んで俺といろ』







私……抱きしめられて…る?





この声…
逆らえないような声

私はこの声が嫌いだ

この声で聞かれたら
すべて答えてしまうような気がする





「……………、」


『いいな?
お前の荷物は夕方届く』



それだけ言うとリビングへ行ってしまった