『莉歩が大切だから。 ずーっと側で守るからな』 あのときは、 莉歩の大好きな両親が、 交通事故で死んだとき。 大切な人を失った莉歩が、 可哀想で。 そのときの俺は、 『莉歩は俺が守らなきゃいけねぇ』んだって、 思っていたから。 母さんや父さんにも、 『莉歩ちゃんは、叶多が守らなくちゃいけない』 って、言い聞かされたから。 それが、当たり前だと思ってたんだ。 誰かを好きになるなんて、 あのときは思ってもいなかったから。 俺には軽々しいような約束でも、 莉歩には大切な約束だったのか……?