「ここはよく、お母さんとお散歩に来てた所なんです。

物心つく前からよく連れて来てくれてて、ほんとに思い出深い公園なんです。


……私が学校で嫌なことがあったら、よく一緒にここに来て…」




棗様は静かに聞いて下さっている。

すごく落ち着いて話せる。




「……それで、両親が亡くなった日も…」





——『それじゃあ行ってくるわね』

『留守番頼んだぞ』



〝いってらっしゃい!〟




……〝はい、沢田です〟


『花ちゃん!?中野です!あのね、落ち着いて聞いてね!?あなたのお父さんとお母さんが交通事故に遭ったの!』


〝…え?〟


『すごい重体らしくて、○○病院に運ばれたらしいから、花ちゃんも早く来て!
……花ちゃん?花ちゃん?!大丈夫?!』





——「それで、私が病院に着いた頃にはもう……二人とも亡くなってて。

病院でも、葬式でも、たくさんたくさん泣きました」




鮮明に蘇る病院での二人の姿。


顔に白い布を被せられたお父さんとお母さんは、まるで別人のようだった。



……というより、これが二人じゃないと思い込みたかったのかもしれない。


あんなに温かかったお父さんとお母さんの手は、涙も止まるくらい冷たかった。