着替えてみると、そのメイド服は私にピッタリだった。
置いてあった姿見を見て、ちゃんと服を整える。
いくら社長が優しい人だとしても、あの滝沢グループの社長さんなんだ。
みっともない姿を見せないようにしなきゃ…。
『着替え終わりましたら、部屋を出て左奥にダイニングがあります。私がいないようなら、申し訳ありませんがお一人でそこへ』
横山さんの言葉を思い出す。
私はゆっくりと部屋のドアを開けた。
……誰もいない。
「…一人で行くしかないか…」
不安だ。
すごく不安だ。
私はドキドキしながら廊下を左に進んだ。
と、
「…ん?」
進んで行くと、ドアが少し開いている部屋があった。
…ここかな…?
私はゆっくりとそのドアを開けた。

