「「失礼します」」
私と茜さんが部屋に入ると、そこでは和やかで優雅な雰囲気が漂っていた。
見る限り棗様達を含めて男女4人ずつの模様。
私と茜さんは静かにテーブルにケーキと紅茶を置いていく。
「ありがとー」
「わぁ、美味しそうなケーキ」
「これ全部花ちゃんが作ったの?」
次々に声が飛んでいる中、馨様が私のそばに来て尋ねてきた。
私は少し照れながらもコクリと頷く。
すると馨様は「さすがだね」なんておっしゃりながらクッキーを一つ摘み、笑顔で食べて下さりました。
なんとも幸せなり。
「じゃあ私はこれで失礼するわね。花ちゃんはここにいて」
そうコソッと私に耳打ちした茜さんは、ニコリと笑って部屋から出て行ってしまった。
……一応部屋に一人は使用人がいた方がいいということだろう。

