* * *
お茶会の日。
私はたくさんのお菓子を作った。
「ほんとに一人で作っちゃったね」
「あ、準備して下さりありがとうございました!」
いろんなお菓子を作る際に、たくさんの材料が必要となり困っていると、なんとコックの方が材料を提供して下さったのです。
「いやいや、お茶会の用意なんて楽しそうでいいね」
「はい!」
コックの村田さんはにこりと優しく笑う。
本当にここにいる方達は皆優しいと改めて実感致しました。
そして私はひとしきり手伝って下さった方達にお礼を言うと、お茶会が開かれている部屋へとお菓子を運び始めた。
チョコケーキ、フルーツタルト、アイスボックスクッキー、パウンドケーキなど。
ウキウキとしながらケーキを部屋へ運ぶ。
「楽しそうねぇ花ちゃん」
「う、へへへ」
紅茶を運ぶ茜さんがにまにまと私を見つめる。
そんな茜さんに照れながらも私は笑った。
こんなにお菓子が作れて、なんて幸せなんだろう。
「棗様達もきっとお喜びになるわぁ」
「あ、ありがとうございますっ」
そうだといいなぁ。
そう思うのはメイドとして、贅沢なんだろうか。

