イケメン王子の花メイド






   *   *   *




「お茶会…ですか?」


「はい」




学校にて。


早速棗は遠山をお茶会に誘っていた。



「埋め合わせのおつもりです?」


「遠山副会長の為のお茶会です」




そう棗がにっこりとスマイルを向けると、遠山は少し頬を赤く染めて髪を払った。




「あら、それなら構いませんわ。では私のお友達を数人誘っておきますね」


「ありがとうございます」




そう一礼をした棗は遠山から離れて、ニヤニヤと笑いながら壁にもたれている馨のそばを通った。


そして棗について行くように並んで歩き出す馨。




「まるで合コンだね」


「そんな下賤なものは嫌いだ」


「実際なってるじゃん」


「あくまでお茶会なんだよ」



ツカツカと歩く棗は相当嫌そうである。



「じゃああとは小塚森達も誘っとこうか」


「その辺は任せる」




そうして馨は友人を何人かお茶会に誘いに向かった。


棗は中庭の綺麗なベンチに腰掛けて、深く溜息をつく。