「次は出来るようにしておけ」
「あ、ありがとうございます!」
「宮本に教わらなかったのか?」
「…まだ聞けてなくて」
「いや、教えてない宮本が悪い」
やはりあいつに指導係は無理だな。なんていつもの硬い表情で言う有馬さんが、すごく頼もしく見えた。
…私も有馬さんみたいになりたいなぁ。
「そろそろ時間だ。棗様、5分経ちました」
有馬さんの声に、ゆっくりと体を起こす棗様。
…すごく眠そうだ。
そして棗様は何度か眠そうに瞬きをして、眠気覚ましの為かブルっと頭を振った。
「…さんきゅ」
きっちりと準備された用意を見て、棗様は有馬さんにお礼を言った。
…まあ私が準備してないってことはさすがに分かるよね…。