「お前はいつでもテンション高いな」


「あらぁ、そお〜?」


「……あ、横山さんがお前に用があるそうだ。明日になったらすぐ行けよ」


「えっ」




それを聞いた茜さんは、いつもと様子が違っていたように思えた。

頬に手を当てて、その柔らかそうな頬がみるみる赤く染まっていくのを見る。



…ん?




「あらぁ…なにかしら…」


「……」




やっぱり変だ。

有馬さんの方を見やると、これまた少し険しい顔をしている。



…なにがなんだか。




「伝言ありがとうね〜!」


「…別に」




頬を赤くしたままお礼を言う茜さんに、有馬さんは少し眉をひそめて目を逸らした。




「…大した用じゃないだろ。そんなに期待するだけ後悔するぞ」


「…き、期待だなんて、そんなことしてないわよぉ!やだもぉ〜、私これでも22よぉ?そのくらい分かってるものっ」




やだぁと変なテンションで笑いながら有馬さんの腕をペシペシ叩く茜さん。

そして顔を真っ赤にしたまま「じゃあ先戻ってるわね〜」と私と有馬さんを残して行ってしまった。




「…分かってねぇ」


「……」




何か熱い感情がこもったその茜さんを追う有馬さんの視線に、私は首を傾げた。



…もしかして、

有馬さんは、茜さんのこと好きなのかな…?