——「……そうかい。それは、辛かったね」
おじさんは優しい声で私に話してくれる。
「……君は何も悪くないよ」
そして、そう言って私の頭を撫でてくれた。
おじさんの声はすごく安心できて、
私は泣かずにいられていた。
「…それで、私一人暮らししようと思うんです」
「……ほう」
「高校生が一人暮らしなんて、簡単にできることじゃないっていうのは分かってます。……でも、その方がずっとマシだと思って…」
「…お金はどうするんだい?」
「は、働きます。バイトしかないですが…」
「バイトのあては?」
「……ありません。時給いいとこ探すしか…」
……やっぱり無理なのかな。
私みたいな高校生が一人暮らしなんて。
デメリットが多過ぎる。
きっとおじさんも呆れてるだろうな……。

