イケメン王子の花メイド








それからも前川さんと響子様のレッスンは毎日続き、私は一つ一つ熱心に励んだ。


棗様の為を思えば、自然と力が溢れてくる。

これが恋の力か。


やっぱり恋愛って素晴らしいです。





「沢田、あなたはこれとこれならどっちが可愛らしいと感じる?」




響子様はデスクに腰掛けて、私に2枚の紙を見せて下さる。

紙に描かれたキャラクターを見比べながら、私は「えーと」と唸った。




「右……ですかね」


「あらそう。じゃあこっちを採用するわ」


「かしこまりました!」




私が選んだ方のキャラクターを採用して下さった。

これって少しでも響子様は私のこと認めて下さってるって思っていいんだよね?



ちなみに今のは新しいイベントのイメージキャラクターを決めていたのです。


こうやって、僭越ながら最近では響子様のお手伝いもさせて頂いております。




「私の好みで決めてしまったのですが……大丈夫でしたか?」


「若い子の意見を聞くのが合理的だもの。それに、私は可愛さを理解出来ないわ」


「左様でございますか……」




響子様のお力になれて良かった。

メイドとして、滝沢家のお助けが出来るのであればこの上なく嬉しいです。


もっともっとお手伝いしたい!