「……はぁ」
溜息をついて、私は公園のベンチに座る。
小さな池があるこの公園は、よく人が来るようで。
そばで小さな子供が楽しそうに鬼ごっこをして遊んでいた。
……これからどうしよう。
叔母さんと暮らしたくないな…。
きっと一緒に暮らしたとしても、私は他の三人の子供のようには扱ってもらえないだろうし。
……辛いだけだ。
「……うっ…」
涙が溢れてくる。
やっぱり悲しい。
辛くて、私も死んでしまいたくなる。
もう一度、お父さんとお母さんに会いたいよ……。
「お嬢さん、お隣いいかな?」
不意に上から声が降ってきて、私は顔を上げた。
そこには、とても優しそうに微笑んでいるおじさんが立っていた。
……誰だろう。
「ど、どうぞ…」
「ありがとう」
そう言ったおじさんは、ゆっくりと私の隣に座った。
見た目は40代くらい。
とても綺麗なコートを着ていて、オシャレな帽子まで被っている。
…お金持ちなのかも。
「…何か辛いことでもあったのかい?」
「……え?」
ニッコリと微笑むおじさん。
……あ、私が泣いてたからか。
話せば、少しは落ち着けるかな…。
「ちょうど退屈しててね。私とお話してくれないかい?」
――私はおじさんに話すことにした。

