「……」
「……」
棗様のお隣へ座ったものの、そこから何も話さずじっと私を見つめる棗様にいたたまれない。
こんなに近くから見つめられたら毛穴まで見られてしまうのではないかと変な不安が襲ってくる。
いや、そんなことはこの際どうでもいいのです。
私は一体どうしたら!
「……少し、疲れた」
「……へ?」
「最近何かとバタバタしていたからな」
「そ、そうですね。やっぱりすぐお休みになられた方が…」
「花、ほんの少しだけ甘えさせてくれ」
そう言うと棗様はこてんと私の肩に頭を乗せた。
えっ。
なななな!?
棗様ー!?
「なっ、なつ、」
「しー…」
私はぎゅっと口を閉じた。
体がガチッと強ばる。
私は緊張し過ぎてただただ真っ直ぐ目の前にある壁を見つめた。
あ、甘えさせてくれって。
あの棗様が私に甘えていらっしゃる…?
大混乱です。

