どうして棗様がこんなことを聞くのか。
詳しくは分からないけど、
少しだけ分かった。
棗様は私なんかにいつもご自分の気持ちを素直に伝えて下さる。
私は何度もその気持ちに救われたり、嬉しい気持ちになれた。
……メイドの身分ではあるけれど、
そんな棗様の優しさを無下になんか私には出来ません。
少しだけ素直になることをお許し下さい。
「…いいえ、恩返しの為だけではありません」
棗様はじっと私を見つめる。
「私……棗様のその優しさや仕草……全てを大切に思っています。
御恩もありますが、私が唯一仕えたいと思えるのは……棗様だけです」
もしかしたら私の気持ちがバレてしまうかもしれない。
でも、それを覚悟して言ったんだ。
まだ直接的な言葉は伝えられないけど、
この気持ちに嘘はない。

