——「ここが社長のお部屋よ。社長のお部屋には横山さんとメイドチーフの前川さんしか入れないからね」


「……なんで二人だけなんですか?」


「お二人は社長の専属の執事とメイドなの」




せ、専属…!

いかにもお金持ちって感じがする…。




「…私がまだここに入りたての頃、指導係だったのは前川さんなの」


「え、そうなんですか?」


「うん。少し厳しいけど、とってもクールでしっかりしてて…もうほんとに憧れちゃう」



てれてれと頬を赤らめて話す茜さん。



「…それで、私が前川さんに怒られてヘコんでたら、いつも横山さんが励まして下さって…」



茜さんは更に顔をポッと赤くする。



「横山さんたら本当に優しくて……私大好きなの」




先程のテンションとは少し違う茜さん。


…まるで、ほんとに恋心を抱いてるように赤く頬を染めている。



……でも横山さんておじいさんだし、茜さんどうみても若いし…それはないか。




「あら、ごめんなさいっ。つい私事を話しちゃったわぁ〜」



照れ臭そうに笑って歩き出す茜さん。


…茜さんって天然そう。